「iPhoneでPS2が動けば、最強の携帯ゲーム機になるのに……」
レトロゲーム愛好家なら誰もが一度は見る夢です。 3DS(Manic EMU)やWii(Dolphin)がiPhoneでサクサク動くようになった2026年現在でも、**PlayStation 2(PS2)だけは「難攻不落の要塞」**として立ちはだかっています。
最大の原因は、Appleが頑なに許可しない**「JIT(Just-In-Time)コンパイル」**の制限。 これがないと、エミュレータは本来の性能の10〜20%程度しか出せません。
しかし、2025年秋に発売されたiPhone 17 Proに搭載された**「A19 Proチップ」**。 このチップのシングルコア性能が「JITなし」のハンデをねじ伏せるほど暴力的である、という噂をご存知でしょうか?
今回は、2026年2月時点でのiPhone×PS2エミュレータの最前線を検証。 「RetroArch」でPS2は動くのか?「Play!」なら遊べるのか? A19チップの実力を、実機で徹底的にテストしました。
結論:RetroArchは「不可」、Play!は「条件付きで可」
まず、多くの人が検索している疑問に答えを出します。
1. RetroArch (iOS版) でPS2は動く?
結論:動きません。時間の無駄なので諦めてください。
万能エミュレータとして名高い「RetroArch」ですが、iOS版にはPS2を動かすためのコア(LRPS2やPCSX2など)が含まれていません。 ネット上には「RetroArchでPS2!」という釣り動画が溢れていますが、あれはPC版の画面か、極めて特殊な脱獄環境のものです。2026年現在、App Store版やAltStore版のRetroArchでPS2を動かす方法は存在しません。
2. Play! (iOS版) なら動く?
結論:動きます。現時点で唯一の選択肢です。
「Play!」は、かなり昔からある純粋なPS2エミュレータです。 このアプリの最大の特徴は、「JITなし(JIT-less)」でも動作するように設計されている点。 これまでは動作が重すぎて「スライドショー(紙芝居)」状態でしたが、A19チップの登場で状況が一変しました。
A19 Proチップ vs JITの壁:実機動作検証
では、実際にiPhone 17 Pro (A19 Pro) に「Play!」をインストールし、JITを有効化しない状態(=PC接続なし、単体起動)でテストしてみます。
※設定は「解像度:ネイティブ(等倍)」、省電力モードはOFF。
検証1:ファイナルファンタジーX (FF10)
- 動作状況:★★★★☆ (驚きの快適さ)
- FPS:50〜60fps (ほぼ張り付き)
- 感想: 信じられませんが、普通に遊べます。 オープニングのザナルカンドの映像も音ズレなし。戦闘突入時のガラスが割れるエフェクトで一瞬カクつきますが、ターン制RPGとしては全く問題ないレベル。A19チップの演算能力が、非効率なエミュレーション処理を力技で解決しています。
検証2:キングダムハーツ II (KH2)
- 動作状況:★★★☆☆ (プレイ可能)
- FPS:30〜45fps (変動あり)
- 感想: アクションゲームなのでフレームレートの低下は気になりますが、「遊べなくはない」レベル。 多数の敵(ハートレス)が出現するシーンでは20fps台まで落ち込み、音がブツブツ途切れます。しかし、1対1のボス戦などは意外とスムーズ。設定で「フレームスキップ」を入れれば、実用範囲内です。
検証3:グランツーリスモ 4 (GT4)
- 動作状況:★☆☆☆☆ (起動するが無理)
- FPS:10〜15fps
- 感想: さすがに無理でした。レース開始のカウントダウンまでは行けますが、車が走り出すとスローモーションになります。 PS2屈指の重さを誇るこのゲームをJITなしで動かすには、A21チップくらいまで待つ必要がありそうです。
発熱とバッテリー:A19の代償
「JITなし」でPS2を動かすということは、CPUが常にフルパワーで「翻訳作業」を行っている状態です。 その代償は、明確に現れます。
発熱がヤバい FF10を15分プレイしただけで、iPhoneの背面(カメラ横)が「ホッカイロ」を超えて**「熱い缶コーヒー」**レベルになります。 長時間プレイすると、サーマルスロットリング(熱による性能制限)がかかり、急激にFPSが落ちてガクガクになります。MagSafe冷却ファンの併用は必須です。
バッテリーは溶ける 30分のプレイで約15〜20%減りました。 原神や崩壊:スターレイルの最高設定よりも減りが早いです。
導入方法:2026年版「Play!」の入れ方
App Storeには「Play!」はありません。 日本でも施行されたスマホ新法のおかげで、導入ハードルは下がっています。
手順
- AltStore PAL(日本版) または SideStore を導入する。
- 「Play!」の公式サイト(GitHub)から最新の
.ipaファイルをダウンロードする。 ※必ず「Automated Builds」などの最新版を選んでください。2年以上前の安定版はA19に最適化されていません。 - AltStore経由でインストールする。
- 「ファイル」アプリで、Play!のフォルダ内にBIOSファイル(
scph10000.binなど)を配置する。 ※BIOSは必ず自分の実機から吸い出したものを使用してください。
まとめ:実用性は「ロマン枠」を出たか?
2026年2月現在、iPhoneでのPS2エミュレーションは**「RPGならクリアまで行ける」**という段階に達しました。
- A18以前の機種: 正直厳しいです。JIT有効化(PC接続)の手間をかけないと遊べません。
- A19 (iPhone 17 Pro): JITなしで、いつでもどこでもFF10が動く。これは革命です。
ただし、発熱とバッテリー消費は実用的とは言えません。「iPhoneでPS2が動いてる俺、スゲー!」という所有欲を満たすための**「最強のテックデモ」**として楽しむのが正解でしょう。
もし本気でPS2を携帯機で遊びたいなら、素直にAndroid機(Snapdragon 8 Gen 5搭載機)を買うか、Steam Deckを持ち歩くのが幸せになれます。 でも、その「無駄」にこそロマンがあるんですよね。