機種変更をした後、手元に残った古いiPhone。「下取りに出すには画面が割れているし、売っても二束三文だし…」と、引き出しの奥に眠らせていませんか?

正直に言います。それ、ものすごくもったいないです!

実は、SIMカードが入っていない「契約切れのiPhone」こそ、最強のサブ機になり得るポテンシャルを秘めています。月額料金0円で、生活の質(QOL)を爆上げするツールに変わるのです。

「でも、Wi-Fiがないと使えないんでしょ?」 「2台あるとデータが混ざって面倒くさそう…」

そんな疑問を持つあなたのために、長年iPhone2台持ちスタイルを実践している僕が、SIMなし運用のメリットから、多くの人がつまずく「データ同期」の設定まで、余すことなく解説します。

この記事を読み終わる頃には、あなたの古いiPhoneは「ただの不用品」から「手放せない相棒」に変わっているはずです。

iPhone2台持ちは「SIMなし」でこそ輝く

まず結論から言うと、サブ機にSIM契約は不要です。もちろん、格安SIMを契約して電話番号を2つ持つという選択肢もありますが、多くの人にとってそれはオーバースペック。

家の中ではWi-Fi、外ではメイン機のテザリング(インターネット共有)。これだけで99%の機能は使えます。

なぜわざわざ2台持つのか?決定的な3つのメリット

僕がなぜ、重たい思いをしてまで(最近のiPhoneは重いですよね…)2台持ちを推奨するのか。それには明確な理由があります。

1. メイン機のバッテリーとストレージを守れる

これが最大のメリットです。SNS、動画視聴、ゲーム、ナビ。これらを全て1台でこなすと、最新のiPhoneでも夕方にはバッテリーが瀕死になります。 「動画とゲームはサブ機にお任せ」と役割分担するだけで、メイン機の充電持ちは劇的に改善します。さらに、写真や動画データをサブ機に逃がせば、メイン機のストレージ不足も解消できます。

2. 「スマホ依存」からの脱却(デジタルデトックス)

「勉強中や仕事中、ついついSNSを見てしまう…」 そんな経験はありませんか? 2台持ちなら、物理的に用途を分けることができます。

  • メイン機: 電話、LINE、仕事の連絡(通知ON)
  • サブ機: YouTube、Netflix、ゲーム、SNS(通知OFF)

仕事中はサブ機をカバンの中にしまっておく。これだけで、驚くほど集中力が上がります。「物理的に分ける」効果は絶大です。

3. リスクヘッジ(予備機としての安心感)

メイン機をトイレに落とした、紛失した、あるいは突然故障した。 そんな時、手元に「もう一台のiPhone」がある安心感は計り知れません。SIMカードを差し替えるだけで、とりあえずの連絡手段は確保できます。「保険」として持っておくだけでも価値があります。

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SIMなしiPhone(Wi-Fi運用)で「できること」リスト

「SIMがないと電話できないじゃん」と思われがちですが、今の時代、電話回線を使う機会はどれくらいあるでしょうか? SIMなしのiPhoneでも、Wi-Fi環境さえあればこれだけのことができます。

  • LINE通話・Skype・Zoom: 通話もビデオ会議も問題なし。
  • Webブラウジング・SNS: Twitter(X)、Instagram、TikTokなど全て閲覧・投稿可能。
  • 動画・音楽ストリーミング: YouTube、Prime Video、Apple Music、Spotifyなど。
  • カーナビ: Googleマップなどの地図アプリ(※後述するオフラインマップを活用すればWi-Fiなしでも可)。
  • おサイフケータイ(Apple Pay): 実は、SuicaやiDなどは通信圏外でも決済可能です(チャージには通信が必要)。

つまり、「電話番号を使った音声通話」と「Wi-Fiがない場所での単独通信」以外は、普段のiPhoneと全く同じなのです。

一番の悩みどころ。「データ同期」はする?しない?

2台持ちを始める際、もっとも質問が多いのがこれです。 「Apple IDは同じにするべき? 写真や連絡先は同期しちゃうの?」

ここ設定を間違えると、「メイン機に届いた通知がサブ機でも鳴り響いてうるさい」「見られたくない写真が家族用のサブ機に同期されてしまった」という事故が起きます。

筆者が推奨する運用パターンは以下の3つです。あなたの用途に合わせて選んでください。

パターンA:【完全同期】(自分一人でフル活用する人向け)

メイン機とサブ機を**「全く同じ状態」**にする設定です。

  • Apple ID: 同じIDを使用
  • iCloud設定: 全てオン

メリット: どの端末を手に取っても、同じメモが見られ、同じ写真があり、同じアプリが使えます。「リビングにはサブ機、寝室にはメイン機」といったように、場所によって使い分ける場合にシームレスです。

デメリット: ストレージ(容量)を圧迫します。また、着信や通知が2台同時に来るため、設定で通知を間引く必要があります。

パターンB:【部分同期】(一番おすすめ!)

Apple IDは同じにしつつ、必要なデータだけを共有する設定です。

  • Apple ID: 同じIDを使用
  • iCloud設定: 「写真」オフ、「メモ」オン、「Safari」オンなど、個別に設定。

メリット: 「写真は同期したくないけど、パスワードやメモは共有したい」という、いいとこ取りができます。サブ機を「容量の少ない古いiPhone」にする場合、写真同期をオフにするのは必須テクニックです。

デメリット: 設定画面で一つ一つオン・オフを選ぶ手間があります。

パターンC:【別人化】(家族・子供に使わせる場合)

  • Apple ID: 別のIDを作成(またはファミリー共有)

メリット: データが完全に分離されます。古いiPhoneを「子供のYouTube専用機」や「お店のBGM用」にする場合はこれ一択です。プライバシーも完全に守られます。

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【実践編】SIMなしiPhoneの具体的な活用アイデア5選

ここからは、実際に僕がやっている、あるいは友人に勧めて好評だった活用法を紹介します。

1. 「お風呂・キッチン・寝室」専用機

水没や油汚れのリスクがある場所、それが水回りです。 高価な最新のiPhone 15などを風呂場に持ち込むのは勇気がいりますが、画面が割れたiPhone 8ならどうでしょう? ジップロックや防水ケースに入れて、お風呂で映画鑑賞。キッチンでクックパッドを表示しっぱなしにする。寝室で寝落ちするまでKindleを読む。 メイン機を大切に使うために、「汚れ役」をサブ機に任せるのです。

2. オフラインマップで「0円カーナビ・サイコン」

Googleマップには「オフラインマップ」という機能があります。自宅のWi-Fiで地図データをダウンロードしておけば、外で電波がなくてもナビとして機能します(iPhoneにはGPSが内蔵されているため、SIMなしでも位置情報は取得できます)。 バイクや自転車のハンドルに固定して、ナビやサイクルコンピュータとして使うのもアリです。振動でカメラが壊れるリスクがありますが、サブ機なら許容範囲でしょう。

3. 固定電話代わりの「LINE・FaceTime専用機」

実家の両親や、まだスマホを持っていない子供に、Wi-Fiに繋いだ古いiPhoneを渡しておきます。 LINEやFaceTimeのアプリを入れておけば、通話料無料のホットラインの完成です。 「家の電話」を解約して、このスタイルにする家庭も増えています。

4. 監視カメラ・見守りモニター

「Alfred Camera」などのアプリを使えば、古いiPhoneが高機能な監視カメラに変身します。 Wi-Fiに繋いで部屋の隅に置いておけば、外出先からペットの様子を見たり、赤ちゃんのベビーモニターとして使ったりできます。動体検知機能がついているアプリも多く、防犯カメラとしても優秀です。

5. クリエイティブ専用機(撮影・音楽制作)

通知が来ない環境は、創作活動に最適です。 GarageBandでの作曲、iMovieでの動画編集、あるいはタイムラプス動画の長回し撮影。 メイン機で電話を待ち受けながら、サブ機で何時間もタイムラプスを撮影する。こんな使い方ができるのも2台持ちならではです。

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セットアップの注意点:これをやっておこう

最後に、快適な2台持ちライフを始めるためのセットアップ手順を解説します。

①初期化(リセット)

前のデータが残っているとストレージを圧迫しますし、動作も重くなります。 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」から、一度工場出荷状態に戻し、新しいiPhoneとして設定することをおすすめします(バックアップからの復元は、必要なデータのみに留めましょう)。

②「iMessage」と「FaceTime」の設定確認

ここが重要です。SIMなしのiPhoneでも、Wi-Fi環境下なら電話番号宛のSMS(iMessage)や着信を受け取れてしまうことがあります。 これが便利な場合もありますが、**「2台同時に着信音が鳴ってパニック」**になる原因第一位です。

不要であれば、サブ機の設定で

  • 「設定」→「メッセージ」→「iMessage」をオフ
  • 「設定」→「FaceTime」をオフ にしておきましょう。

③不要なアプリの削除と通知オフ

サブ機に入れるアプリは厳選しましょう。バッテリーを持たせるためにも、使わないアプリは徹底的に削除。 また、メイン機と同じアプリを入れる場合でも、サブ機側の**「通知」は全てオフ**にすることを強くおすすめします。静寂こそがサブ機の価値です。


まとめ:余ったiPhoneは「宝の山」

iPhoneは、数年前のモデルであっても、その処理能力は非常に高いです。単なる「電話機」としてではなく、「高性能な小型コンピュータ」として見直せば、使い道は無限にあります。

  • バッテリーや容量を気にせず使い倒せる
  • 用途を分けてデジタルデトックスができる
  • 万が一の時のバックアップになる

これらが**「追加コスト0円」**で手に入るのです。 引き出しの中で眠っているそのiPhone、まずは充電ケーブルに繋いで、第2の人生(iPhone生?)を歩ませてみてはいかがでしょうか? きっと、あなたの生活を少しだけ便利で、豊かなものにしてくれるはずです。

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